分子の動き

‘’相変化(Phase Change)‘’は、‘’相転移(Phase Transition)‘’とも呼ばれます。
一般的には、‘’固体から液体への変化(融解/凝固点)‘’や、‘’液体から気体への変化(沸騰/凝縮点)‘’を指します。
固体の状態では、分子の動きはほとんどありませんが、 同じ物質が液体になると、分子は活発に動き始めます。 この分子の動きの大きな違いが、大きなエネルギーの移動を引き起こします。
液体が凍るとき、 分子を動かしていたエネルギーは周囲に放出されます。 分子はほぼ動かなくなるため、そのエネルギーは不要になるからです。
一方、固体が溶けるときには、 活発に動く分子のために大量のエネルギーが必要となり、周囲から熱エネルギーを吸収します。
このような顕著なエネルギーの出入りが、 ‘’固体と液体の間で起こる明確な状態変化(相変化)‘’に対応しています。
相変化を利用したパッシブ冷却

相変化は、一般的に問題ではなく、むしろ他の熱移動を抑えるための有効な手段です。 熱エネルギーを吸収したい場合、固体を加えて、それが溶ける際に熱を吸収させることができます。 ‘’相変化材料(PCM:Phase Change Materials)‘’は、 特定の温度で溶けるように設計されており、狙った温度帯で周囲から熱エネルギーを吸収します。

例 融点が25℃に設定された1kgの相変化材料は、 1kgの氷が水に変わるときと同程度の熱エネルギーを吸収することができます。 (25℃はチョコレートの融点よりやや低い温度です。)

一方、氷を使用すると不要な結露が発生し、周囲の温度が0℃以下にならない限り、再び凍ることはありません。 これに対して、融点が25℃の相変化材料は結露を起こさず、夜間の気温が25℃を下回れば再び固まり、翌日も追加の熱を吸収できる状態になります。